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316話

「あら、禁制品の隠匿?」秦雪は口から可愛らしい声を漏らした。最初の反応は信じられないというものだった。昨夜やっと林浩を見つけたというのに、今朝になって早々と誰かに連れて行かれるなんて、あまりにも奇妙すぎる。だが自分が本当に林浩を助けるべきかどうかは、慎重に考える必要があった。

「わかったわ、何とかするわ」秦雪は王長貴との電話を切り、休憩室から出ると、人気のない場所を見つけて、別の携帯番号をダイヤルした。

「義父、こちらで新しい代理人を見つけたわ」

「おお、そうか。さすが小雪だ、頼りになるな。明日彼を連れてきて会わせてくれ。どんな人物か見てみたい」電話の向こうの義父の声は少し低く沈んでいた...