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26話

「急に思い立ったの」蘇玉竹は言い終わるとすぐに搭乗口へ向かった。

「え?」林浩は困惑した表情で彼女の後を追った。

機内に入り、隣で目を閉じて休んでいる蘇玉竹を見た林浩は、この旅にさらに一つ期待を抱いた。

着陸後、専門の出迎えの人がいた。三十代の女性で、自己紹介によると鐘という姓の経理だった。

二人は鐘経理についてワゴン車に乗り、ホテルに到着して手続きを済ませると、鐘経理はルームカードを二人に渡し、夜に歓迎会のために迎えに来ると言って去っていった。

林浩と蘇玉竹の部屋は10階にあり、隣同士の二部屋だった。蘇玉竹は林浩に「先に部屋で休みましょう」と言って入っていき、林浩もカードキーで自室に入った。...