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225話

「ハゲの強盗が冷笑を浮かべた。その鋭い眼光に背筋が凍りつくような恐怖を覚えた。

短髪と縮れ毛の男が前後から車両の両端に分かれて金を集め始めた。林浩と雪芙は最後尾の右側に座っていた。彼の左側には母子連れがいて、女性は40歳前後で、3〜4歳ほどの子供を連れていた。母子の服装から判断すると、裕福な家庭には見えなかった。

金を集める担当の縮れ毛の男は、まず林浩ではなく、その女性に袋を差し出した。しかし、その軽蔑するような目つきからは、あまり期待していないことがうかがえた。

「兄さん、ない、お金はないんです」案の定、縮れ毛の男が怒鳴ると、女性の表情はさらに慌てたものになり、思わず隣の袋をぎゅっと掴...