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217話

「本気なの」雪芙はうっとりとした目で彼を見つめて言った。

林浩は彼女が何かに取り憑かれたのかと思い、少し違和感を覚えながら言った。「外に出てから話そう」

「力が入らないの、歩けない。背負って」雪芙はそう言った。

林浩は一言返事をすると、バックパックを胸の前に掛け替え、前に進み出て雪芙を背負い、先へと歩き始めた。足場の悪い道をどれくらい歩いたのか分からないうちに、前方にようやく一筋の光が見えてきた。

「林浩、見て!前に光があるよ、出口だよ!」雪芙は林浩の背中にしがみついたまま、少し体力が戻ったのか元気な声で前方を指さして叫んだ。

「大声を出すな」林浩は小さな声で注意し、背後の暗闇から聞...