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1210話

妖姬は振り向いて受け取り、妖艶な笑みを浮かべながら言った。「やっぱり、私に少しは情があるのね」

「くだらない。俺のものだった女を外の男に見られたくないだけだ。すべては俺自身のためだ」林浩は軽く笑いながら言った。

妖姬も笑った。彼女は林浩がそういう意味で言ったのではないことを分かっていた。しかしシーツを身に纏いながら、先ほどの絡み合いを思い出さずにはいられず、頬が僅かに赤く染まった。そして杀手の男と一緒に林浩の部屋を出て行った。

二人が林浩の部屋を出た後、隣で盗み聞きしていた苏婵はようやく安堵のため息をついた。彼女も先ほどから自分の銃を取り出し、いつでも杀手の男を攻撃できるよう準備していた...