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865話

苏北辰は病室に入ると、ようやく劉成恩の姿を目にした。すでに還暦近くであるにもかかわらず、白髪が一本もなく、顔のしわも少なく、四十代の中年男性のように見えた。

今の劉成恩が六十歳近いとは、とても想像しがたかった。

病院に入ってから、劉成恩の頭痛は少し楽になっており、今はもうあまり痛みを感じていなかった。ベッドに座って静養していた。

「劉先生、こんにちは」苏北辰は前に進み、微笑みながら言った。

「やあ、君が医聖だね」劉成恩は目を開け、笑いながら言った。

「私はただの医者です。他の人より少し技術があるだけで、医聖などとは、とてもおこがましいです」苏北辰は恭...