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828話

今になって、蘇北辰はようやく理解した。所謂の「龍涎」とは一体何なのかを。

この場所は特殊な地理的位置にあり、この不思議な巨大な龍の彫像は、決して人工的に彫られたものではない。

見れば自然に形成されたもので、まるで本物の龍がここに封じ込められているかのようだった。

原始林の朝露は、天地の造化を受け、万物の無数の霊気を吸収し、さらにこの巨龍の体にある何らかの未知の物質によって、龍涎へと凝結するのだ。

一尺余りの長さの龍の髭の上を、露の滴りが下へと滑り落ちていく。露は転がるにつれてどんどん大きくなり、やがて長い龍の髭から落下した。

空中に浮かぶその露は、クルミほどの大きさで、透明な琥珀のように...