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809話

扉が開くと、顔に長い刀傷のある男が顔を覗かせ、四方に人影がないのを確認すると、一気に虎子を中へ引き入れた。

「真昼間からここに何しに来た?尾行されてないか?」刀傷の男は厳しく詰問した。

「誰も付いてきてないよ、刀兄貴。俺のことをまだ分かってないのか?いつだって慎重にやってるだろ」虎子は笑いながら言った。

「で、何の用だ」刀兄貴は虎子を地下室へと案内した。

二人が地下室に降りると、そこは意外なほど広々としていた。木造の小屋自体は大きくなかったが、この地下室はバスケットコート二面分ほどもある広さだった。

地下室には薄暗い灯りがともり、他に十人ほどの上半身裸の男たちが、様々な野生動物を解体...