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786話

元欣は少し躊躇した後、真剣な表情で蘇北辰に答えた。「私は正統な蠱女の伝承を受けていませんし、祭祀の儀式も経ていないので、針を施すことができないんです。これは苗族の地では許されないことなんです」

「じゃあ、なぜこういったことを知っているんだ?」蘇北辰は不満そうに言った。

「祖母が教えてくれたんです。祖母は私に学ぶだけでいいと言いましたが、むやみに使ってはいけないと。蠱術もひとつの伝承で、途絶えさせてはならないものなんです。祖母が私に教えたのは、私たちの寨子の巫女の伝承が途絶えてしまったからなんです」と元欣は説明した。

「そんなに形式ばることはないだろう。今、君がすべきことは人を救うことだ」...