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782話

「死んで欲しくない奴は、出て行け」

蘇北辰は楊宗睿を自分の前に引き寄せ、反射的に監獄の壁の隅を一瞥すると、案の定、小さな監視カメラがそこに設置されているのが見えた。

楊宗睿のような男は、必ず自分の逃げ道を用意しているはずだ。たとえ蘇北辰が看守を遠ざけたとしても、彼には助けを求める手段があるだろう。

「軽率な行動は止めた方がいい。逃げられないぞ」先頭に立つ隊長の額には冷や汗が滴っていた。

この二人はどちらも敵に回したくない相手だ。だが、もし自分の管轄で誰かが殺されたとなれば、自分の立場もなくなる。

「もう一度言う。出て行け」蘇北辰は冷たく言った。

彼の手がわずかに締まると、楊...