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723話

陳慧の心臓は力強く安定して鼓動しており、異常な箇所も見当たらなかった。

蘇北辰はさらに上方へと診察を続け、程なくして彼女の脳部の位置まで見届けた。

そこで、果たして問題が見つかった。

蘇北辰の瞳孔がゆっくりと拡大し、彼の目の前に浮かび上がった立体的な脳の図形も徐々に拡大していった。

彼の目の前には白黒の世界が広がり、その拡大された立体図形の中に、黒い塊が絶えず蠢いているのが見えた。その物体は、蘇北辰がこれまで見てきた蠱虫とほとんど変わらなかった。

蘇北辰は視線を戻し、手を離して、精神力の消耗による目眩を和らげるために目をこすった。

「北辰、何か問題が見つかったかい?」傍らにいた秦淵...