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662話

「この男は馬鹿じゃない。人を殴った後でも平然と自分が後ろ盾を呼んで自分の始末をさせるなんて、虚勢を張ってるか、それとも相当な背景があるかのどちらかだ」

「だが、あの容赦ない出手つきと、一瞬で俺の部下を何人も倒した腕前を見ると、やはり強力なバックがあるに違いない」

光頭哥(ハゲ兄貴)は長年北京で暮らし、それなりの人脈と後ろ盾を持っていた。しかし、龍虎が潜む北京では、誰かが彼を潰そうと思えば、蟻を踏み潰すように簡単だということも知っていた。

「兄弟はずいぶん自信があるな。誰の後ろ盾があるんだ?」光頭哥は語調を和らげた。まずは相手の素性を探る必要があった。

「俺はずっと党と共に歩んできたよ」...