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595話

秦韵は時計を見た。もう8時近くになっていた。この真っ暗闇の夜に、山の上には何が潜んでいるか分からない。

「焦らないで。まだ8時前だから、もしかしたら今、帰り道かもしれないわ。もう少し待ってみましょう。それでも戻ってこなければ、村長さんのところへ行って、みんなで山に登る手配をするわ」汪存真は彼女の不安を察して声をかけた。

「汪おじさん...」

ちょうどそのとき、村人たちの一団が近づいてきた。先頭にいたのは村長だった。

汪存真は彼らに向かって歩み寄り、「村長さん、ちょうどあなたを探しに行こうと思っていたところです。もう遅くなってきましたが、何人か集めて山に様子を見に行くべきではないでしょう...