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554話

蘇北辰は少し戸惑った。この小僧には絶対に裏がある。以前は自分に対して骨の髄まで憎んでいたのに、今になって急に何の恨みもないなんて、どうして可能だろうか?

彼は林清舟の笑顔を見つめるほど、その笑みが偽物だと確信していった。

だが、笑顔に拳を振るう者はいない。結局彼は手を差し出し、相手と握手しながら淡々と言った。「気にするな。俺と君の姉さんの関係なら、そんなこと言う必要もないだろう?」

蘇北辰がそう言うと、案の定、林清舟の手がわずかに強張り、目に一瞬異様な色が浮かんだ。

それを見て、蘇北辰は内心で思わず笑ってしまった。俺と心理戦をするつもりか、まだまだ甘いな。

彼の先ほどの言葉は完全に探りを...