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55話

燕江は長江の支流に過ぎないが、川幅が広く、確かに壮大な景観を誇っていた。

暑い夏の季節、川辺で焼き肉を楽しむのは、まさに至福のひとときだ。

今や川の両岸は人で溢れる焼き肉屋台だらけで、蘇北辰はようやくこの空席を見つけることができたのだった。

老人が向かいに座りたいと言うのを聞いて、蘇北辰は急いで立ち上がり、親切に言った。「どうぞお座りください。私も一人ですから、全然構いませんよ」

老人が腰を下ろすのを待って、蘇北辰もようやく丁寧に席に着いた。

老人は内心で頷くと、朗らかに言った。「若いの、君は気さくな人だな。こうしよう、今夜は私がおごろう」

蘇北辰は老人を一瞥した。全身から威厳のあ...