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54話

蘇北辰は車を路肩に停め、電話で尋ねた。「唐社長ですか。お久しぶりです。どのようなご用件でしょうか?」

唐傲天と最後に会ったとき、蘇北辰はまだ中医院の小さな研修医で、医師免許すら持っていなかった。毎日主治医に付き添って回診し、患者の状態を記録するだけの日々だった。

当時の彼は、家賃すら払えないほど貧しく、高利貸しに手を出すところだった。

それがたった一ヶ月も経たないうちに、蘇北辰は五百万元以上の高級車を手に入れ、豪華な別荘まで所有し、さらに葉成文の父親から五十万元の診療報酬まで受け取っていた。まさに春風得意といったところだ。

今の蘇北辰は、以前と比べれば、まるで天と地ほどの差があった。

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