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42話

翌朝、朝食を済ませた後、蘇北辰は白清雪をショッピングモールに連れて行こうと思っていた。

二人がちょうどモールの入り口に着いた時、前方から悲鳴が聞こえてきた。

「辰お兄ちゃん、入り口のところで人が倒れてるよ。急いで見に行こう」

心優しい白清雪は、誰かが困っているのを見ると、蘇北辰の腕を引っ張ってその方向へ駆け出した。

現場に着くと、入り口にはすでに大勢の人が集まっており、二人は何とか中に入り込んだ。

白髪の老人が胸を押さえて地面に横たわっていた。顔には苦痛の色が浮かび、唇は白く変色し始め、額からは豆粒ほどの汗が滴り落ち、襟元を濡らしていた。

周囲からはあれこれと議論する声が上がってい...