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391話

周明が蘇北辰との電話を切ると、携帯を置き、顔に冷ややかな笑みを浮かべた。

彼は自分の副局長とは常に反りが合わず、二人は表立って、また陰で数え切れないほど争ってきた。だが、あの男にもそれなりの後ろ盾がある。

周明は思わず幸災楽禍の気持ちを抱いた。今や彼が自ら死に向かうのなら、好きにさせておこう、と。

李氏薬業のこの件については、実は薛鸿云が最初に彼を訪ねてきたのだ。

彼はそれが蘇北辰の事業だと聞いた途端、二人が敵対していることを悟った。ただ、彼は蘇北辰の正体を知る数少ない人間の一人だったため、はぐらかしたのだ。

そうすることで薛鸿云を敵に回すことになっても、蘇北辰を徹底的に敵に回す...