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306話

苏北辰の奇妙な表情を見て、陸無双はまるで心の内を見透かされたかのように、顔が熱くなった。

「あ、あの……誤解しないでよ。爺さんがこれを飲むのが好きだから、ちょっと採りに行っただけ」彼女は言葉を噛み殺すように言った。

「何を誤解するんだい?」苏北辰は彼女をじっと見つめ、わざと尋ねた。

「陸老は大紅袍が好きじゃなかったのか?」苏北辰は再び問いかけた。

「ふん、好みが変わったっていけないの?年寄りは口が肥えてるって知らないの?」陸無双は不機嫌そうに言い返した。

彼女の言葉を聞いて、苏北辰は苦笑いするしかなかった。

燕北では、おそらく陸無双だけが陸老をこんな風に言えるのだろう。それも陸老が孫...