福運の名医

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295話

方軽語は百草堂の診療医としての地位を持っていたが、医学理論は優れているものの、経験面ではまだまだ不足していた。

そこで蘇北辰は彼女を秦韻の祖父の名の下で一定期間、弟子として修行させることにした。

蘇北辰は気持ちを引き締め、方軽語と共に大広間へ向かった。

秦老の診察台の前には、赤ん坊を抱いた女性が座っており、その横には中年の女性が立っていた。様子を見るとその女性の姑のようだ。

女性の腕の中の赤ちゃんは生後一ヶ月ほどで、絶えず体をよじらせ、小さな口を開けて泣き続けていた。

母親は目を真っ赤に泣きはらし、秦老に何かを訴えていた。

「小辰、来たか。早く来て患者を診てやってくれ」秦老は...