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260話

蘇北辰は皆に続いてスラム街に足を踏み入れた。辺り一面に無造作に捨てられたゴミが散乱し、鼻を突く悪臭が漂っていた。

一行は眉をひそめながら、次々とマスクを装着した。

蘇北辰が周囲を見渡すと、すぐ近くに巨大なゴミ捨て場があることに気づいた。燕北市の生活ゴミのほとんどがこの場所に投棄されているのだった。

ゴミ収集車が来るたびに、大勢の人々が我先にと押し寄せ、ゴミの中から物を漁り始める。まるで宝探しでもしているかのようだった。

この場所に住んでいるのは、年老いた田舎出身の人々が多かった。農閑期に出稼ぎに来るものの、年齢を理由に雇い主が見つからず、ゴミ拾いで生計を立てるしかなかったのだ。

彼ら...