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236話

車は高速で走り続け、ようやく平坦な道に出た。

虎子はまだ興奮冷めやらぬ様子で振り返ると、あのチンピラたちはもう十数キロも後方に置き去りにされていた。

蘇北辰は苦笑いして言った。「やっぱり僕に運転させてよ。他の人に驚かれたら困るから」

今の虎子は霊体の状態で、蘇北辰以外には誰にも見えない。もし無人運転と勘違いされでもしたら、大問題になってしまう。

二人が席を交代した後、蘇北辰は車のスピードを通常レベルに落とした。

助手席に座った虎子が好奇心から尋ねた。「警察には通報しないのか?」

蘇北辰はさらりと微笑み、答えた。「通報する必要はない。奴らを差し向けたのが誰か分かってるから」

虎子...