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164話

院長は検査技師の報告を聞いた途端、顔が真っ青に変わった。

医院の薬は何重もの審査を経て、各種証明書が揃っていなければならないはずだ。そうして初めて医院に入ることができる。

このような毒入りカプセルは、大手製薬会社では絶対に製造できないもので、小さな作業場で作られた偽物に違いない。

ただ、院長にはどうしても理解できなかった。なぜこのような偽物が漢方医院に流れ込んだのか。

つまり、今回の事故は完全に漢方医院の責任であり、責任追及となれば、彼に良い結末が待っていないことは明らかだった。

医院内部の裏事情については、彼は誰よりも熟知していた。時には大きな利益を得るために、うまく誤魔化す手段を...