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162話

しばらくして、針を打ち終えると、さらに老人のために無料で三日分の薬を処方した。

「はい、これで終わりです。数日間薬を飲んでいただければ、あとは大丈夫ですよ。ただ、これからは心を開いて、楽しく過ごしてくださいね」と蘇北辰は言った。

老人は立ち上がり、蘇北辰に向かって深々と一礼した。「蘇先生、命を救っていただき、誠にありがとうございます。この恩は一生忘れません」

「わしの病気のせいで、順子は家にあるものをほとんど売り払ってしまった。今はもう何も持っておらん。お礼もできんから、これからは順子をあんたの側につかわせてほしい。使い走りでもなんでも、三食さえあれば十分じゃ」

順子は前に進み出て、蘇...