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130話

午後、医館には珍しい訪問客が現れた。なんと久しぶりの沈月だった。

苏北辰は思わず立ち尽くした。まさかこの腹黒い女性がここに来るとは思いもしなかった。慌てて立ち上がり、言った。「やぁ、どういう風が吹いて来たんだい、沈お嬢さん」

沈月はカジュアルなスポーツウェアに身を包み、淡い黄色のキャップを被っていた。一見すると非常に清純で可愛らしく見える。

だが苏北辰は知っていた。清純で可愛いのは彼女の表の顔に過ぎず、実際この女性は誰よりも計算高い小悪魔なのだと。

「ふん、たった一ヶ月ちょっと会わないうちに、あんたときたら医館まで開いたのね。本当に出世したじゃない」

沈月は両手をポケットに入れ、とて...