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59話

時には、人間は本当に衝動的になれないものだ。一度衝動に駆られると、間違いを犯しやすくなる。特に賭けごとに関してはそうだ。

例えば目の前のこの男のように。

すでに日も暮れ、夕焼け老人ホームの入り口には、団扇を手に涼を取る老人たちが何人も座っていた。しかしその老人たちの中に、足がしびれ気味の屈強な男が立っていた。彼はこの入り口で何時間も待ち続けていたが、いまだにあの人物が出てくる気配はなく、思わず口の中で呟いていた。「あいつ、一体何してるんだ?」

退屈しのぎにタバコに火をつけたところで、彼の視線は長い脚の美女に引き寄せられた。「おっ、この女、脚の長さ120センチはあるんじゃないか?」

暇を...