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46話

張航と王虎の二人が驚いたのはもちろんのこと、少し離れた所から張航を見つめていた陶小櫻もはっとした。ロマン(羅桓)のヤツに腕前を見せろって言ったのに、なんで炸醤麺一杯だけ出してきたんだ?

そう、張航と王虎が緊張して向き合っていた料理は、白い皿の上に置かれた、街角の屋台でよく見かける炸醤麺だったのだ!

麺は太さが均一で、つややかな色合い。唯一奇妙なのは具が一切なく、皿の中には白い麺だけがまとまっているということだった。しかし形から見れば、完全に炸醤麺そのものだ。

炸醤麺のレシピや作り方なんて、プロの料理人はおろか、屋台の常連客だって詳しく説明できるんじゃないだろうか?

「これは手加減してる...