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216話

「お、お前、何をするつもりだ?」

出血ですごく痛かったが、それでも意識を失うほどではなかった。むしろ八重歯のカイはより冴えた意識を取り戻していた。先ほどの衝動で理性を失っていたが、逆に手を失った激痛で正気に返り、張航が自分の腕を包帯で巻いているのを見た。

「見れば分かるでしょ?」

唐暁怡はカイを一瞥し、張航が彼の傷を手当てするのを横で見ながら、憤慨した様子で言った。「あのね、同級生だったんだから、ちゃんと話し合えばいいじゃない。なんで刃物なんか出すのよ」

八重歯のカイは痛みで顔をしかめながら言った。「ふん、同級生だって?冗談じゃない。おれはあいつの同級生なんかじゃねえよ。他人を助けるのはま...