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20話

「やぁ、これは暁怡お姉さんじゃないですか?こんにちは、何かお手伝いできることはありますか?」

KTVの店員を侮るなかれ。特にこういう大型KTV施設の店員は、人の顔色を窺う能力が尋常ではない。今まさに、常連客の唐暁怡が近づいてくるのを見るなり、満面の笑みを浮かべて小走りで駆け寄ってきたのだ。

張航には確信があった。この男の笑顔は完全に心からのものだ。なぜなら、先ほど彼が見せていた笑顔とは、まるで別物だったからだ。

やって来たのは他でもない、約束をしていた唐暁怡その人だった。彼女は今、胸元が開いた白いレースのワンピースを身にまとい、ベージュのハイヒールを履き、薄化粧を施していた。167センチほど...