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719話

「方さん、初めまして。私は鳩尾太郎と申します。お会いできて光栄です」

鳩尾太郎は実に堂々としていた。方鋭を見るなり、彼は立ち上がって積極的に歩み寄り、丁寧に手を差し伸べて挨拶した。

「こちらこそ、鳩尾太郎さん」

方鋭も微笑みながら返した。彼は鳩尾太郎たちの一行が何の目的で来たのかを知っていたが、表面上は少しも異様な様子を見せなかった。

「方さん、漢方医学は中華の数千年にわたる文明の宝です。私はずっと深く敬服しております。今回中華に来たのは、方さんと医術を切磋琢磨し、貴重な経験を学ばせていただきたいと思ってのことです。ぜひご承諾いただけませんでしょうか」

鳩尾太郎の口調は非常に誠実そう...