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614話

尋問室のドアが開いた。

白桦は背広姿の男と一緒に入ってきた。方鋭はその二人を見た瞬間、はっとした。そうだ!

自分が死ぬわけがない。

あるいは、云庭は自分がこの件で倒れることなどありえないと知っているし、方藏鋒も絶対に許さないだろう。ならば、なぜ彼はこれほど大げさに騒ぎ立てるのか。方鋭は突然深い思考に沈み、白桦と唐弁護士の会話にも気づかないほどだった。

「方さん?」白桦が大声で呼びかけた。

「白隊長」方鋭は我に返り、白桦を見て、隣の弁護士らしき男を一瞥して、疑問げに尋ねた。「こちらは?」

「はじめまして、方鋭さん。私はあなたの弁護士、唐有為です」

「弁護士?」方鋭は驚いた。「弁護士は頼んでいませ...