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613話

北京

異常に質素で明らかに年代物と見える軍区家族住宅の一室で、呉解放は特供の五粮液を一口啜り、顔をしかめながら言った。

「王さん、あの若者のことだが、どう思う?」

向かいに座っているのは白髪交じりの老人で、厳格で几帳面な表情をしていた。洗濯で黄ばんだ白いワイシャツの袖は丁寧に折り上げられ、同じように酒杯を持ち上げて一口飲み、首を振った。

「私は直接会ったことがないし、彼の人柄もよく分からん。だが、お前が目をかけて、わざわざ国安に推薦したからには、今は私の部下だ。部下である以上、何をやらかしたにせよ、まずは国安を代表して彼に感謝すべきだろう。少なくともあの若者は我々のために事件を解決して...