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522話

服部桜葉は幼い頃から徳川明蔵と青梅竹馬の仲だった。今まで一度も男性に好感を抱いたことはなかったが、明蔵という男性に対しては、いつも心が揺れ動くのを感じていた。彼女はその感情が何なのか分かっていた。きっと好意なのだろう。

おそらくあと一年、あるいは半年もすれば、自分の心の防壁は完全に崩され、結婚し、幸せな生活を送ることになるのだろう。

彼女はすでにその結婚式の訪れを心待ちにしていた。服部家の伝統を守るため、そして自分自身を強くするため、あの完璧な男性に相応しい存在になるために、彼女と徳川明蔵はずっと互いを敬い合ってきた。彼女は処女の身を守り続けてきたのは、結婚の日に、純白の玉のような自分自身...