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517話

軍刺は服部桜葉と徳川正一が何人の忍者を連れてくるのか、恐ろしい戦陣を形成するのかどうか、それらはすべて未知数だった。だが軍刺には一つだけ明確なことがあった。擒賊先擒王—敵を捕らえるにはまず首領を捕らえろということだ。扶桑の忍者の流儀では、彼らの武士道精神が部下の手助けを絶対に許さない。ならば事態は単純になる。

服部桜葉を倒し、徳川正一を倒せば、それが勝利だ。

この時、別荘内の人々は散り、客間には服部桜葉と徳川正一だけが残っていた。服部は長椅子に仰向けに横たわり、布切れに包まれた長刀をゆっくりと抜き出した。その眩い切っ先が光の刃となり、服部桜葉の美しい顔に一筋の光柱を残した。彼女は口元を僅かに...