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491話

温泉の石のベンチに半身を横たえ、岑忆容は静かに方锐の頭を持ち上げ、こめかみから肩へと手を滑らせた。

しかし、その鉄のように硬い体に触れた瞬間、岑忆容の華奢な体が軽く震えた。小麦色の肌、斧で削ったかのような完璧な流線型の筋肉の輪郭。欧米の筋肉質な男性のような誇張はないものの、その中に秘められた恐るべき爆発的な力を明確に感じることができた。

この男性的な肉体は、女性にとって致命的な魅力と誘惑を持つことは間違いない。岑忆容はここで働いて一定期間経っており、男性の筋肉は数多く見てきたが、方锐のようにわずかな緩みも欠点もない体は初めて目にした。

一瞬、岑忆容はうっとりと見とれてしまった。

方锐が施術を楽...