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460話

海伯号賭船の最下層には、極めて豪華な休憩室が一列に並んでいた。

その豪華さはまるで香港の五つ星ホテルに引けを取らないほどで、富豪や大金持ち、そして世間知らずの坊ちゃんたちが憩い楽しむための楽園となっていた。明るく照らされた廊下はまるで真昼のように輝き、そこを曲線美を誇る魅惑的な視線の美女たちが時折行き交っていた。そして彼女たちに付き添うのは、例外なく酔いどれの中年男性か、あるいは端正な顔立ちの若い紳士たちだった。

藍初一はこの賭船の合法的な登録者として、当然ながら自分だけの豪華な休憩室を所有していた。彼女の執務や宿泊はたいていここで行われ、その警備は厳重を極め、「蚊一匹も侵入できない」と評...