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427話

方鋭は立ち止まり、何の構えも見せずに、ただ静かに立っていた。

軽い掛け声と共に、四角い顔の男が宙に舞い上がり、その強靭な太腿が方鋭の頭へと鞭のように振り下ろされた。方鋭は眼を細め、あの時間が止まったような感覚が再び訪れる。考える間もなく、わずかに頭を下げ、悠然と鞭脚をかわし、そして両手が電光石火のごとく四角い顔の男の脛を掴み、強く捻った。

四角い顔の男は表情を変えた。片足で体を支えていたが、自分の鞭脚には十分な自信があり、その力と速さは方鋭に捉えられるはずがないと思っていた。だが、彼の読みは外れていた。

太腿から伝わる恐ろしい力に四角い顔の男は顔色を変え、何も考える間もなく、体が宙に浮き...