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406話

会所の名前について、実を言うと方鋭という名目上のオーナーでさえ今に至るまで何と呼ばれているのか知らないのだから、まして好奇心旺盛な来賓たちが知るはずもない。趙西雅と名乗るこの娘は本当に方鋭を困らせた。まるで追い詰められた感じだ。

舞台下の白伊薇に目をやると、彼女が自分に向かって口に指を当てる仕草をしているのが見えた。そして慌てて手を振り、顔中に焦りを浮かべている。方鋭は仕方なく立ち上がり、同じく困惑している司会者からマイクを受け取り、趙西雅と名乗るもののまだ顔がはっきり見えない女性に微笑みかけた。

「お嬢さん……会所の看板については次のセクションでお披露目します。どうかご焦らずに、まずは無料...