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363話

宋青青の笑顔を見たその瞬間、方鋭は自分の手の中で固く握りしめていた何かが滑り落ちたような感覚に襲われた。空虚で、力が抜けるような感覚。何の事実も変えることができない。自分にできることは、ただ彼女を守り抜くことだけ。

彼女が何をしようとも。

「方お兄さん、牙牙を見てあげて」宋青青は笑顔を引き締め、方鋭の前でだけ見せる愛らしい笑顔を浮かべた。清楚で輝くような美しさ。まるで遠い昔、金華コミュニティクリニックの前でニキビだらけの顔をしていても青春の活力に満ちあふれていた少女のよう。明るくて自由奔放で、胸の内に憂いを秘めていても、最初から最後まで自分の前では決して見せなかった。

方鋭は宋青青をじっ...