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362話

頭を下げると、薔薇が一方の手で方鋭の襟元を掴み、何気なく引っ張るだけで、自分の体ごと茶器と酒瓶が置かれた大きなテーブルを飛び越え、死んだ犬のようにソファに投げ出された。

方鋭は少し酔っていたが、決して泥酔していたわけではなく、むしろ今の自分は最も冴えていて、反応も最も敏感なはずだった。それでも全く防ぐことも抵抗することもできない突然の攻撃に、方鋭は目を見開いて呆然とした。

それだけではなく、薔薇女王はまだ気が済まないようで、ソファに倒れた方鋭を再び片手で持ち上げ、茶器が置かれた広いテーブルに強く投げつけた。

バン!

クリスタルガラスのテーブルは粉々になり、値段もわからないような高級茶器...