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345話

「若い衆、この爺さんと一局指そうじゃないか」

方鋭が頭を抱えて小屋に戻った時、あの掛け軸はすでに消え去っていた。鐘毓は小さな台所の竈の前で忙しそうに立ち働いていた。薄暗い灯りの中、方鋭は籐椅子でゆらゆらと揺れている談老の姿を目にし、そしてあの言葉を耳にした。

方鋭は一瞬固まった。「僕、碁は打てませんよ」

「本当に打てないのかね?」

談老の鋭い眼差しと視線を合わせて0.5秒と持たず、方鋭はあっさりと降参した。心に何とも言えない圧迫感を覚え、小声で言った。「子供の頃、祖父に囲碁を教わりました。将棋もやったことはありますが、あまり上手くないし、強いとは言えません」

「できるならそれでいい。...