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307話

若者は仕方なく舞台下から薬箱を持ち上げてきた。張雀はその中から針箱を取り出した。その質感から見ても、これは普通の箱ではなく、間違いなく非常に高価なものだ。疑う余地もなく、中に収められているのは龍舞落鳳針に違いない。

「方先生、この針は代々針王が受け継いできたものです。私の代になって先祖の名を汚してしまいましたが、今日は賭けに負けた以上、この針はあなたのものです。これからは中医学を発展させ、この針セットを大切にしてください」張雀は非常に厳かに言った。

方鋭は張雀をじっと見つめ、笑みを浮かべた。「張老、本当に考え直す余地はないんですか?さっきの言葉は冗談のつもりでした。私なんて浅学菲才で、生き...