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23話

千八百万を持つ富豪の方鋭は、明らかに生活を楽しむ方法を知らず、バス停に向かってせかせかと歩いていた。これから金華コミュニティ・ヘルスセンターへ出勤するところだった……

方鋭がむなしくバスを待っていると、電話が鳴った。画面を見ると薛家明からだった。

一瞬躊躇してから電話に出たが、方鋭は何も言わず、薛家明が話し終わった後に「ああ」と一言だけ返して切った。

少し考えた後、やはり談楽清に電話して休暇を願い出ることにした。薛家明が重要な用事があると言っていたからだ。

ただ、妖艶極まりないこの女性は、そう簡単に話を聞いてくれそうにない。

「もしもし?方鋭、何かあったの?」

女性の声から冷たさが伝わって...