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20話

惶火賭石市場。

周宗沢の言葉によれば、この石は三十分後にその場で割られることになっていた。人々は思い思いに散り、気に入った石を探して楽しむ。帰るつもり?そんなことは誰も考えていない。歴史的瞬間を目撃するこの機会に、少なくとも周宗沢の石が割られるのを見届けなければ帰れないだろう?

「周少、すごい度胸ですね。今回は間違いなく大当たりでしょう」

「そうですね」

「この石の質からすると、帝王緑に違いないでしょうね。うーん、皆さんはどう思います?」

「そうそう……」

周宗沢は次々と寄ってくる商人たちのお世辞に適当に応じながら、顔中に春風得意の表情を浮かべていた。

方鋭と薛家明が賭石市場に向かって歩...