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11話

病院を出ると、ちょうど午後一時頃だった。方鋭は江志剛たちに電話番号を渡し、江伯源に鍼を打った後の疲労感が再び現れていた。空腹感が強く、足取りがやや覚束ない。

少し歩くと、高級そうなホテルが見えてきた。江氏グループのマークが掲げられている。方鋭はポケットを探り、数十元しか残っていないことを確認すると、空っぽの腹をさすりながら、江志剛から渡された黒いカードを思い出した。ダメ元で前に進んでみる。

入口の警備員は、普通の服装をした方鋭を横目で見て、無表情に言った。「お客様、こちらは会員制となっております。会員カードをお見せください」

会員カード?

方鋭は一瞬戸惑い、探るように尋ねた。「会員カード...