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235話

気づかぬうちに、二人はさっきの火鍋店の前に来ていた。店の入り口の封印はすでに剥がされていた。

二人は足を止めた。

宋珏はちょっと間を置いてから、尋ねた。「それで、火鍋店はまた開くの?もし開くなら、手伝いに行くよ」

上官歆は顔をほころばせ、答えた。「しばらくしてからまた開こうと思ってるの。開店したら、呼ぶわね」

「うん」

宋珏はただ頷いただけだったが、上官歆が開店したら呼んでくれると約束したことで、心がぽかぽかと温かくなるのを感じた。

その後、二人は屋敷へ戻った。

上官歆が足を一歩屋敷に踏み入れると、上官瑞がすぐに迎えに出てきて、姉に向かって恭しく拱手の礼をした。

「姉さん、お帰...