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221話

翌日、楊靖深は上官歆のことばかりを考えていた。まるでお茶も食事も喉を通らないほどに。

「誰か来てくれ!急いで桂花糕を用意するんだ!上官歆の好物を全部用意しろ!」我慢できずに下人たちに向かって大声で命じた。

下人たちは楊靖深からよくこのような指示を受けていたので、上官歆の好物は既に熟知していた。

療養の数日間、楊靖深は上官歆に絶え間なく美食を届け続けていた。

さらには国庫の宝物まで密かに持ち出して上官歆に贈り、彼女の心を掴もうとしていた。

この件が皇帝の耳に入ると、すぐさま楊靖深を呼びつけた。

「いい度胸だな!国庫の宝物を盗み出して上官歆に贈ったそうじゃないか。お前の胆はずいぶん太く...