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207話

「ありがとう」上官歆は手を伸ばして受け取り、見知らぬ侍女を見たが、特に何も考えなかった。

今はちょうど戦乱の時代で、多くの民が生きていくことすらできず、子供を売る者もいれば、幸運にも仕事を見つける者もいた。

そのため、宋珏は人を府に雇い入れていたが、選ぶ人数も限られており、連れてこられて働けるのはとても幸運なことだった。

上官歆は侍女が持っているスープを見た。小さな椀に入ったほんの少しの量で、すぐに飲み干してしまうだろう。これでは足りない。

彼女は微笑んで言った。「後でもう少し持ってきてくれる?これじゃ足りないわ」

侍女は頷き、部屋の中を覗き込んだ。「お嬢様、中までお持ちしましょうか...