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179話

二日目の朝早く、宋珏と上官歆はアハオに起こされた。

「早く出発するぞ。待ちくたびれた」彼は不機嫌そうな顔で言った。

二人は反論せず、マイペースで荷物をまとめていく。

彼は彼の言いたいことを言い、二人は二人のすべきことをする。

小さな木造の小屋の前に着くと、上官歆は周囲の荒れ果てた部屋を見て少し驚いたものの、不快な様子は見せず、宋珏に近づいて小声で尋ねた。

「宋珏、以前ここに来たことがあるの?」

宋珏は軽く「うん」と返事をしたが、特に気にしている様子はなかった。

来たことがあったとしても、もうこの場所に二度と現れたくはないのだ。

「ここに来たことがあるなら、この辺りはいつもこんな...