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147話

老王妃は当時の自分の決断を幸いに思った。それがなければ、王府まで巻き込まれていたかもしれない。

この王府は容易く手に入れたものではなく、葉明厲の代に至っては既に落ち目となっていた。今は抱いているこの幼い子が将来、王府に繁栄をもたらすことを期待するしかなかった。

庶子とはいえ、最初に生まれた子供であり、老王妃の心は自然と喜びに満ちていた。

王府の中は賑やかさに溢れていたが、一方、船上での日々はそれほど快適ではなかった。

最初の二日間、上官歆は船酔いに苦しんでいた。その後は慣れたものの、毎日ベッドで過ごす状態だった。宋珏はそんな彼女を見るに忍びなく、陸路に変更した。

宋珏は上質な千里馬を...